SSブログ

Hangaronekits Curare60の製作 (1) [機体製作(その他)]

ご依頼を頂きました 「Curare60」の製作を行っています。

オリジナルはハンノ・プレトナ氏の愛機として非常に有名で、強い下反角の
付いた水平尾翼やエアブレーキ機能を付加したフラップ機構など、設計者の
拘りが感じられる機体です。

今回製作を行うのは、ニュージーランドのHangaronekitsよりバルサキット
として販売されている機体で、生地製作に加え、フィルム貼りまでの作業を
行っていきます。

curare1-1.JPG



製作の準備


curare1-2.JPG
本キットの内容は、精巧に加工された国産キットとは大きく異なり、どちらか
と言えば「素材セット」に近い感じです。
木製部品は一応レーザーカットされていますが、その加工はかなりざっくりと
した感じで、各部の位置決めや穴開け加工は慎重に行う必要がありそうです。
また、小物部品や金具類は一切含まれていませんので、必要に応じて購入又は
入手困難な物については自作を行う予定です。



curare1-3.JPG
エンジン機は久しぶりで、かつ外国製のキットのため、最初にメーカーのホーム
ページからダウンロードした図面、資料を読み込んで製作方法を検討します。

本キットの図面はかなり大雑把で、エンジンマウント部や主翼取付け部など、
重要部分の記載がなされていません。構造的なところは、他の機体を参考する
にしても、性能に関係するエンジンスラスト角や主翼取付け角などは、大体で
製作する訳にもいかず、最終的にはネットで見つけたMKの図面を参考に製作を
行う事にしました。



curare1-4.JPG
エンジンマウント、ノーズギヤ取付け部の設計を行います。
エンジンマウントはラジアルマウントも考えましたが、スペース的に合う物が
無く、コンベンショナルなビーム式としました。
燃料タンクは、現在入手可能でサイズ的に収まる、OK模型製320ccに合わせて
います。


curare1-5.JPG
主翼固定部の設計。 ウインクボルトを主翼下面に対して垂直にするため、
ボルト受け、胴枠は再設計しています。


curare1-6.JPG
本機の特徴でもある大きな下反角付きの水平尾翼は、製作精度、被覆作業を
考慮し、カーボンカンザシを使用した、左右分割式に変更しました。
翼型はオリジナルを使用しますが、構造的には新規の設計となります。
尚、固定方法はエンジン機の振動に耐えるため、着脱式ではなく、被覆
作業後に胴体側と接着する固定式となります。


curare1-7.JPG
水平尾翼用の治具も併せて準備しておきます。



curare1-8.JPG


curare1-9.JPG
胴枠類をレーザーカッターで切り出します。


curare1-10.JPG
水平尾翼の部品も同様に切り出します。



胴体の製作

大分準備に時間を要してしまいましたが、実際の組立作業を開始します。
今回は胴体からです。


curare1-11.JPG
胴体側板の組立て。
三分割された部材を貼り合わせていきます。長物は反りや曲りが発生しや
すいため、慎重に接合を行います。


curare1-12.JPG
後部部材の接合部は、オリジナルではジグザグ状の部材を接合する仕様で
したが、レーザーカット部の隙間が大きすぎて寸法精度が確保できないため、
斜めにカットして、寸法切りした別の部材を接合しています。

また、水平尾翼取付け部は翼型にカットされていましたが、分割式に改造
するため、フラットな形状に変更しています。


curare1-13.JPG
胴体製作の基本である、左右形状合わせを行います。これで胴体の精度が
決まってしまうため、慎重に調整を行っておきます。


curare1-14.JPG
内張りの0.8mm航空ベニヤ材を貼ります。 部材が極薄であるため、
強度を考慮して肉抜き加工は行っていません。
ノーズギヤ格納部の内張りは、マウント部の再設計を行った関係で、
別の部材を切り出して使用しています。


curare1-15.JPG
水平尾翼カンザシ部の補強材を接着します。


curare1-16.JPG
ノーズ周りの胴枠、エンジンマウント材を貼り合わせます。


curare1-17.JPG
ノーズ部分の仮組みを行います。 CAD上ではOKでも、実際に組んでみて
問題が無いか確認します。


curare1-18.JPG
エンジン取付け部の沈み込み防止用に、アルミプレートを作成します。
今回は2mm厚のジュラルミン板(2017材)からCNCで切り出しました。


curare1-19.JPG
アルミプレートとエンジン(OS55AX)を載せてみます。OKのようです。


curare1-20.JPG
エンジンマウントの穴あけ加工を行います。MKの図面ではダウンスラストが
0~-3°と指定されていますので、どちら側にも振れるように今回は-1°で
加工します。 穴位置決めは治具を使用して精度を出します。


curare1-21.JPG
後部胴体のコーナー部に三角材を接着します。長物の部材で曲り等がある
場合は、必ず真っすぐになる様に修正を行ってから接着を行います。


curare1-22.JPG


curare1-23.JPG
エンジンマウント周りのブロック材の配置を検討し、部材の切り出しを
行います。

今回のキットでは、この様に各部の詳細設計を行いながら進めていく必要が
あり、少し時間を要してしまいますが、納得のいく作業となるよう、慎重に
進めていきます。


次回に続く


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。