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エアコンの入れ替え [DIY]

作業部屋のエアコンも古くなり、暖房機能に障害が発生するようになって
きたため、シーズンインを前に入れ替え作業を行いました。

DIYAircon06.JPG

新しく取付けるエアコンは壁の穴位置の関係で取付け可能な製品が少なく、
(高さが250mmに限定される)今回は、富士通ゼネラルのAS-C22F-Wを
選択しました。シンプルなスタンダードモデルですが、作業部屋には十分過
ぎる機能を有しています。 購入はネットのほぼ最安値のショップに注文し、
翌日には配達されました。

エアコンのDIY取付けについて

エアコン工事は、コンセント、電圧切り替え、アース工事等を除いて資格が
無くても取付け可能ですが、DIY工事には次のようなメリット、デメリットが
有ると思われます。

メリット

・工事費が発生しない
  業者に依頼した場合、取付け10,000円~15,000円
                     (配管長4mの標準工事の場合)
                取り外し5,000円程度
  DIYの場合、材料費(5,000程度)のみで可能

・エアコン本体が安く購入可能
  他の家電製品と同様に、同じ製品であればネット購入の方が安く購入
  する事ができます。

・確実な施工が行える
  一見、業者の方が確実なような気がしますが、特に夏場の繁忙期では、
  スキル不足の作業者による工事や、短時間で完了させるため、決められた
  手順を行わないという事も発生しているようです。 もちろん、スキルに
  優れた良心的な業者もいらしゃるとは思いますが、量販店等に依頼した
  場合、どのような作業者に当たるかは運しだいになってしまうと思われます。

  DIY作業にもリスクはありますが、エアコンの原理や工事の内容を良く
  理解して決められた手順通りに行えば、長期に渡って安心して使用できる
  取付けが可能だと思っています。  
 
・仕上がりが綺麗に行える
  1日に何件もの現場を回る業者の場合、どうしても配管、配線処理はそれ
  なりの仕上がりとなってしまう事が多いようですが、DIYの場合は時間の
  制約が無く、納得のいく丁寧な仕上げを行う事が可能となります。
  
デメリット

・専用工具を含めた機材を準備する必要がある
  エアコン工事には、新冷媒では必須の真空引き機材一式、配管接続用の
  トルクレンチ、配管接続部を加工するフレアツールなどの専用機材が必要で、
  1~2台のみの取付けでこれらの工具を揃えるのは費用的な面でのDIYの
  メリットが無くなってしまうと考えられます。
  (ヤフオク等に出品されているエアコン工具セットのレンタルを利用した場合
   は、かなり安価に調達が可能となります)

・作業を失敗した場合、最初から業者に依頼した場合の何倍もの費用が発生
 する
  現在エアコンに使用されている新冷媒はガスの圧力が高く、相当慎重に
  配管の接続を行わないとガス漏れが発生する可能性が有ります。 その
  修復を業者に依頼した場合、接続部の再加工、冷媒の再充填でかなりの
  出費が必要となります。

・メーカーの保証を受けられなくなる場合がある
  販売店で購入し取付けを依頼した場合は、不具合発生時は販売店で総て
  対応してもらえますが、DIY作業の場合は、製品に不具合が発生しても、
  それが製品の不良なのか、施工の不良による物なのかの切り分けが難しく
  なります。 そのため、本来受けられるはずの保証修理が受けられなくなる
  可能性が有ります。

・作業に危険が伴う(高所作業、重量物)
  梯子や、脚立を使用した作業は必須で、室内機の取付けや配管作業では、
  バランスを崩しやすく、転落に注意が必要です。 また重たい室外機の運搬
  では、腰を痛める可能性もあります。

私の場合は、上記のメリット、デメリットを総合的に判断し、メリットの方が大きいと
判断して、DIY作業を行う事としました。 今回の作業で我が家のエアコン交換は
3台目で、残る1台についても近日中に作業を行う予定です。

実際の作業の様子は以下の通りです。

今回は2階のエアコンという事で、高所作業に加えて、一人で1階と2階を行ったり
来たりと、それなりに大変な作業ではありましたが、仕上がりは十分満足のいく物と
なったと思っています。

旧エアコンの取り外し

約16年使用した東芝製の旧エアコンです。 これを新しい物(富士通ゼネラル製)
と入れ替えます。
DIYAircon01.JPG

冷房運転を行ってポンプダウンを行い、内部のガスを室外機に回収します。
DIYAircon02.JPG

壁面に取付けられた、冷媒管、配線、ドレインパイプを外します。尚、今回は
配管カバーも劣化が進んでいたため、全て取外し新品と交換します。
DIYAircon03.JPG
2階のエアコンの為、配管長は約6m有るのですが、手持ちの梯子が3.2mの長さしか
ないため、下部は梯子から、上部は2階の窓から身を乗り出しての作業となり、KYT
(危険予知訓練)的には、「危険ポイント」盛り沢山のあまりお勧めできない作業環境でした

室内機と背板を外して、取外し完了です。
DIYAircon04.JPG

取り外した壁穴には、スリーブが入っていませんでしたので、新エアコン
取付け前に貫通スリーブを入れておきます。
DIYAircon05.JPG

使用した副資材

エアコン本体以外に購入した部材・副資材です。
DIYAircon07.JPG
・フレア配管セット(2分3分 6m VVFケーブル2.0mm×3C入り)
・据付台 x 2
・ドレインパイプ
・配管テープ
・ビニールテープ
・シールパテ
・配管カバー(直管、ジョイント、端末カバー)

新エアコンの取付け

壁穴の位置を基準に背板を取付けます。尚、取付け部の壁面は石膏ボード
のため、ボードアンカーを使用して確実に固定します。
また、水漏れ防止のため、必ず水平を出して取付けます。
DIYAircon08.JPG

外部の壁面に新しい配管カバーを取付けます。位置決めは壁穴の中心
から錘を付けた水糸を垂らし、垂直と直線を出しました。
DIYAircon09.JPG

VVFケーブルを壁穴に通し、室内側を室内機の端子に接続します。
DIYAircon10.JPG
第二種電気工事士受験の際に練習したケーブル剥きの技術が役に立ちました

室内機の冷媒管を曲げ直し、VVFケーブル、ドレインパイプと共に纏め、
スリーブを通る部分に配管テープを巻いておきます。
DIYAircon11.JPG

室内機を背板に取付けます。
DIYAircon12.JPG

スリーブから外部に出た冷媒管を配管カバー内に収まるように曲げ、
ドレインパイプの延長パイプを接続します。
DIYAircon13.JPG

フレア配管(2分3分)を室内機側と室外機側にそれぞれ接続します。
フレアナットは締付けトルクが指定されているため、必ずトルクレンチを
用いて規定トルクで締め付けます。
DIYAircon14.JPG

使用するトルクレンチはエアコン専用品も市販されていますが、今回は
汎用のトルクレンチにクローフットレンチ(17mm、22mm)を取付けて
使用しました。
DIYAircon15.JPG
トルクレンチにアダプターを使用する場合は、画像のようにトルクレンチの軸方向に対して
90°の位置にすると、トルク換算無しで使用できます

2018.8.10 追記

トルクレンチにクローフットレンチを使用する場合のトルク値の設定方法に
ついて、KTCのホームページに分かりやすい解説がありましたので貼って
おきます。

トルク設定.jpg
KTC トルクレンチ「使用上の注意点と保管方法」より

一般的には、左図の計算式を用いて、トルク値の補正を行いますが、
右図において、クローフットレンチの中心軸がトルクレンチの中心軸延長
線上にない場合は、B寸法が変化し、90度位置においてはB寸法が「0」に
なるため、トルク換算なしで使用できる事になります。


フレア配管接続後、真空ポンプを接続して真空引きを行います。これに
より配管内部の空気を抜き、水分を蒸発させます。 今回は配管が長い
ため、少し長めの時間(30分)行いました。

DIYAircon16.JPG

所定時間真空引き後、ポンプ側のバルブを閉め、ポンプを停止します。

真空引きが完了すると、真空ゲージは-0.1MPa付近を指示しています。
この状態で15分程置き、ゲージの指示が変化しない事を確認します。
指示が変化する場合は、漏れが有りますので、配管接続部のフレア加工
からやり直します。
DIYAircon17.JPG

真空引き後のゲージ変動が無ければ、室外機の高圧側のバルブを少し
開いて戻し、配管内部にガス圧をかけた状態で、石鹸水等を用いて配管
接続部(4箇所)のリークチェックを行います。
DIYAircon18.JPG
泡立てた石鹸水を接続部にかけ、自然に泡が消えればOK。新しい泡が
連続的に発生するようだと、漏れが有ります。

リークチェックがOKであれば、高圧側、低圧側共にバルブを全開にします。

室外機の各バルブにキャップを取付け、VVFケーブルを接続します。
DIYAircon19.JPG

ドレインの排水を確認します。 室内機の熱交換器に水を流し、ドレイン
パイプから水が出てくればOKです。
DIYAircon20.JPG

室内機の電源コンセントを接続し、取付け説明書に従って試運転を行い
ます。 今回は冷房運転を行い、冷気が出てくる事を確認しました。
DIYAircon21.JPG

動作確認が出来ましたので、外部の配管の仕上げを行います。

上部の配管接続部は、丁寧に断熱材で覆いビニールテープで固定します。
DIYAircon22.JPG

中間の配管、VVF、ドレインパイプも何箇所かビニールテープで纏めておきます。
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室外機のカバーを取付け、配管カバーも蓋を取付けます。
DIYAircon24.JPG

壁穴の部分をシールパテで塞ぎ、カバーを取付けて全作業完了となります。
DIYAircon25.JPG

DIYAircon26.JPG


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tasuku74

はじめまして。
エアコンのDIY取り付け、クローフットレンチとトルクレンチなどの検索から辿り着きました。

普段は車のDIYを楽しんでおり、真空ポンプを持っているのでエアコン取り付けに挑戦しようと思っているところです。
このように素晴らしくまとめてあるページに出会えて嬉しく思います。
工具類の買い足しは無くできそうですので、頑張ってみます。

ありがとうございます。
by tasuku74 (2023-02-09 16:04) 

Y工房

tasuku74さま

はじめまして。コメントありがとうございます。
エアコンの取り付けは、慎重に行えばDIYでも十分行える作業だと思いますが、多少危険な作業もありますので、安全には十分気を付けて行ってください。
応援しています。


by Y工房 (2023-02-11 21:54) 

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