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X-Planeでヘリコプターを飛ばす [X-Plane]

今回はCowan Bell206Bを使って、江東区の東京ヘリポート(RJTI)から調布空港(RJTF)までフライトしてみたいと思います。

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BELL206シリーズは、ベル社により開発・生産された5人乗りの小型タービンヘリコプターで、1967年の納入開始以来、非常に多くの機体が生産され、「ジェットレンジャー」の愛称で親しまれてきました。日本においても沢山の機体が、ヘリコプター事業会社や、警察、海上保安庁などで使用されていましたので、ご存じの方も多いと思います。個人的には遠い昔に、回転翼航空機の整備士資格を取得したのがこの機体でした。

Cowan Simulation Bell206B3 について

X-Plane用にリリースされた本機のモデリングは、実機のフォルムを忠実に再現しており、コックピットの細部も良く造られています。またサウンドも素晴らしく、エンジンスタート中やフライト中に聞こえてくるエンジン音や、トランスミッションの駆動音は、限りなく実機に近いものでした。

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フライトモデルも、安定性と操縦性のバランスが良好で飛ばし易く、X-Plane11用のヘリの中では評価の高いDreamfoil Bell407と比べても、遜色のない仕上がりでした。また本機は、SAS(安定増大装置)やオートパイロットが装備されているのも特徴で、ヘリコプター初心者の練習用としても良い機体だと思われます。

Cowan Simulation Bell206B3を購入すると、X-Plane11用とX-Plane12用の2つのバージョンがダウンロード可能ですが、X-Plane12用はややオーバーパワーぎみである事や、フレームレートの関係で今回はX-Plane11用を使用します。

使用するコントローラーについて

ヘリの場合も、前回コントローラーに関する記事でご紹介した3点セットを使用しています。

サイクリックスティックとして使用するジョイスティックは、高精度な非接触センサーを使用した物がお勧めです。また、実機のスティックにはニュートラルが無い事から、出来ればセンタリング・スプリングも外したいところですが、他の機体との兼ね合いもありそのまま使用しています。

コレクティブレバーとして使用するHOTAS Warthogスロットルは、左側のレバーにコレクティブを割り当て、手前に引いてピッチが増加(上昇)するようにセットしています。

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ジョイスティックの設定

ROLL、PITCH、YAWの各軸の動作カーブは、下図のようにセットしています。

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セッティングのポイントは、カーブではなく直線的な動作にする事です。ヘリの場合は基準点となるニュートラル位置が定まらないことから、どのポイントからでもリニアに舵が操作できるようにするためです。

また、舵の効きは直線の傾きで調整しています。機体の反応が良すぎてオーバーコントロールになる場合は、右端部(1.00)の数値を下げて直線を寝かせて調整しています。その場合、各舵の最大動作範囲が少なくなりますが、ヘリの場合は、殆どの操作が数ミリのスティックの動きの範囲内で行われますので、ほぼ影響は無いと考えています。

コントローラーの感度は下図のように、全て「0」に設定しています。

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【コントローラーの反応】(数値が大きくなるとニュートラル付近の舵がマイルドになります)

 上記の動作カーブの設定と同じで、リニアな動作にするため全て「0」にセット。

安定性増大(数値が大きくなると機体の自立安定性が高まります)

 機体により異なりますが、Cowan Bell206は元々安定性が高く、SAS機能も備える事から、全て「0」にセット。


トリム機能の割り当て

センタリングスプリング入りのジョイスティックの場合、飛行中は常にスプリング力に抗してスティックを保持する必要があり、長時間のフライトではとても疲れます。そのため、ジョイスティックのハットスイッチにピッチ、ロールトリムを割り当てておくと操縦が楽になります。
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今回のフライトプラン

東京ヘリポート(RJTI)を離陸後、荒川沿いに北上し、東京スカイツリーを経由して調布空港(RJTF)に向かう、ショートフライトです。巡航高度は1500ftで飛行します
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※以下の手順はフライトシミュレーション用で、実際の手順とは異なる事をご了承ください。

エンジン始動

東京ヘリポート 12番スポットから開始します。
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エンジン始動前チェック  以下の手順を行います。

・FLIGHT CONTROLS - サイクリック、コレクティブ、ペダルが自由に動く事を確認します
・THROTTLE - 一度フルオープンにしてidleに戻し、その後idle stopボタンを押してフルクローズにします

・BATTERY switch - ON (Mute swを押して、オーラルワーニングを止めます)
・CAUTION PANEL TEST button - PRESS and CHECK
・FUEL QUANTITY gauge - CHECK
・ALTIMETER - SET 
・FUEL VALVE -  ONを確認し、Red Guardをかけておきます

・HYD switch – ON (CENTER CONSOLE)
・ANTI ICE switch – OFF (CENTER CONSOLE)

・ROTOR BRAKE - OFF
・FUEL BOOST breakers – Push IN (ON)
・POSN LT switch - OFF
・ANTI COLL LT switch - OFF
・DIR GYRO switch - OFF
・PITOT HTR switch - OFF
・AVIONICS switch - OFF
・GEN switch – OFF 

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エンジン始動

・ANTI COLL LT switch - ON
・POSN LT switch - ON
・STARTER button -  PUSHし、N1が58%になるまでHOLDします
・THROTTLE - N1が15%に達したら、 idle stopまで開きます
・エンジンが着火し、TOT(タービン出口温度)の上昇を確認します。TOTが急上昇する場合は、直ちにidle stopボタンを押してスロットルをフルクローズにします

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・スタート完了後、N1が60-62%で安定している事を確認します
・ENG OIL gauge - エンジンオイルPressureとTempが正常である事を確認します
・GEN switch - ON
・DIR GYRO switch - ON
・AVIONICS switch - ON

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VHFへ周波数をセットし、GPSへフライトプランを入力します。
・Transponder - STBY
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離陸、タクシー

いよいよ離陸です。
ゆっくりとTHROTTLEを開けてフルにし、N2回転数が97-100%で安定している事を確認します。

以下の手順を行います。
・PITOT HTR switch - ON (when OAT is below 5°C)
・ANTI ICE switch - ON (when OAT is below 5°C)
・INTRUMENTS - 通常指示(グリーンバンド)である事を確認します
・Transponder - ALT
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離陸時の操作について

ローターが左回転のヘリでは、機体浮揚時の動きは以下のようになります。

(1)コレクティブレバーを引く → ローターのピッチが増し、揚力が増加すると同時に、メインローターの反トルクで機首が右へ向こうとする

(2)左ペダルを踏んで機首の振れを修正 → テールローターの推力が増し機首の向きが修正されるが、機体全体としてはテールローターの推力で右側に流れる

(3)右側への流れを止めるため、サイクリックを左に操作する → 右側への流れが止まり、ホバリング状態になる

実際には上記の操作に加え、メインローターマストの前傾分を補正するために、サイクリックの後方操作が加わります。したがって、浮揚時にはコレクティブの操作に同調して左ペダルと、左後方へのサイクリック操作を行います。

下の画像は、浮揚する瞬間の機体の姿勢を捉えたものですが、最初にスキッドの前方が浮揚し、続いて右側、最後に左後方が地面から離れる事になります。
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浮揚後、ホバリングに移行します。
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東京ヘリポートのRunway01(ヘリパッド)へタキシングします。
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サイクリックを前方に操作しながら、コレクティブを操作してパワーを上げ、加速します。
前進飛行に移行して速度が20kt付近から、転移揚力の関係で機首上げと同時に、左側へ機首が向こうとします。サイクリックとペダルを操作して修正し、60ktで機首を上げて上昇飛行に移ります。
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上昇、巡航

トルク80%で上昇を続けます。しばらくは荒川に沿って北上します。
速度が付くと、ヘリはとても操縦しやすくなります。飛行機のような静安定性はありませんが、スティックを保持しているだけで、真直ぐ飛んでいきます。

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巡航高度の1500ftに到達。スカイツリーが近づい来ましたので、左に旋回して新宿方面を目指します。
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新宿の高層ビル群を目指して飛行します。ヘリの場合は航法機器だけではなく、地上の目標物を見て進路を確認しながら飛行します。
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皇居の上空付近を飛行中
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新宿の高層ビル群を通過
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首都高速4号線に沿ってしばらく飛行します。
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前方に多摩川と調布空港が見えてきました。
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アプローチ、着陸

調布空港へのアプローチを開始します。高度を下げながらRunway35のライトベースへ進入し、中央高速調布インター付近でファイナルへ向けて右旋回します。
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Runway35ファイナルアプローチ。60kt、-500f/mで降下します。
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徐々に減速していきます。
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対地高度150ftくらいから、徐々にフレアをかけて前進を止め、ホバリングへ移行します。
また、速度20kt付近から急激に沈下が大きくなるため、その手前から徐々にコレクティブを引いて、機体を支えます。
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Runway上をA3に向けてタキシングします。
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今回はA3から出て、スポットH6までタクシーします。
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A3から誘導路に入ります。
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スポットH6へ到着。
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無事、調布空港スポットH6へタッチダウンしました。
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以下の手順でエンジンを停止し、フライト終了です。

・THROTTLEをidleにし、2分間の冷機運転を行います
・Transponder - OFF
・ANTI ICE switch – OFF
・PITOT HTR switch - OFF
・GEN switch – OFF 
・IDLE STOP BUTTONを押してTHROTTLE をフルクローズにし、エンジンを停止します
・FUEL VALVE -  OFF

・NRが38-30%まで低下したら、ROTOR BRAKEをかけてローターを停止させます
・FUEL BOOST breakers – OFF (OUT)
・ANTI COLL LT switch - OFF
・POSN LT switch - OFF
・DIR GYRO switch - OFF
・AVIONICS switch - OFF
・BATTERY switch - OFF

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