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CNC加工機の導入(1) [工具]

久しぶりの更新となりますが、新たな加工機械としてCNCルーターを導入
しました。
まだテスト段階ではありますが、今回はその購入から、設置の様子につい
て書いてみたいと思います。

CNC1-1.JPG

はじめに

CNCとしては、小型ながらレーザー加工機が導入済みで、木製の治具や
小物部品の製作に活躍しています。しかしながら、少し手の込んだ物や、
耐久性が必要な物を作ろうとすると、木材だけでは難しいと感じる事も数
多くありました。

やはり、厚みのある材料や、木材以外のカーボン、アルミ合金などをCAD
図面通りに加工しようと思うと、CNC制御のフライス盤かルーターが必要と
なってきます。

以前であれば、とても個人では手が出せないCNC加工機ですが、調べて
みると国産でも入門機であれば10万円台からあり、より加工能力の高い
装置でも、海外(主に中国)で調達すればよりリーズナブルな価格で入手
できる事が分かり、その購入を検討する事にしました。


「CNCフライス」か「CNCルーター」か

鋼材を含めた金属加工を主体に行う場合は、CNCフライスを選択する必要
があると思われますが、私の場合は、木材、樹脂及び金属ではアルミ合金
まで加工できればOKですので、より高い主軸回転数が使用できるCNCル
ーターを選択しました。

また、将来CNCフライスが必要になった場合でも、アルミ合金の加工がきち
んと出来る機械であれば、汎用フライス盤を購入して、CNC化に必要な部品
を削り出す事も可能であると思っています。

機種の選定

具体的な機種については、以下の条件を踏まえて選定を行いました。

  ・加工エリアの面積はA4サイズ以上
  ・本体の剛性が十分高い
  ・バックラッシュを抑えるため、ボールねじ採用である
  ・アルミ合金切削の為、スピンドルは高回転で十分な出力を有する
  ・原点センサー装備である
  ・USB接続が可能である

また、国産機と海外製(中国製)を比較すると以下のようなメリット/デメリット
があると考えられます。

国産機(主にO社)

<メリット>
  ・品質が安定している
  ・購入後のアフターケア(技術サポート、部品供給)が期待できる
  ・情報量が多い

<デメリット>
  ・海外製に比べてかなり割高
  ・組立てキットの為、精度は組立者のスキルに左右される
  ・原点センサーなど、必ず必要と思われるユニットがオプション扱い

海外製(主に中国)

<メリット>
  ・加工能力、製品内容で比較するとコストパフォーマンスが非常に高い
  ・必要な物は総てセットされており、オプションで買い足すものがほとんど無い
  ・一部のパーツを除いて完成品で納品される為、その動作や、最低限の精度は
   確保されていると思われる

<デメリット>
  ・形は同じでもコピー品が多数存在するようで、品質のばらつきが大きい
  ・購入元からの手厚いサポートは期待できない。
  ・製品によってはマニュアルが付属しておらず、最悪の場合自力で設定等を
   行う必要がある


中華CNCに決定

上記の要素を総合的に判断して、今回は海外製(中国製)を導入する事
にしました。
とはいえ、工作機械ですのでとんでもない個体に当たると後が大変です
ので、比較的品質が安定していると思われる「OMIO CNC」という会社
が販売する「X4-800L-USB」をオーダーしました。

また、同社の製品には、マニュアルやCNCソフトウェア、加えてソフトの
設定ファイルも付属しているため、初期の立上げまでがスムーズ行えそう
だということも選定理由の一つです。


CNCルーター到着から設置

同社のホームページ上からオーダーして1週間後、成田空港に品物が到着
しました。
本来は、自宅まで配送してもらえるのですが、配送時のリスクを少なくする
ため、成田空港留めに変更してもらい、FEDEXの事務所まで出向いて受け
取ってきました。
CNC1-2.JPG
テープでやたらに補強された大きな段ボールで届きました。重さは50kg近くあり、車への積み込みと
荷卸しが大変でした


早速開梱して中を確認します。ビニール等での養生はありませんが、緩衝材
として大量のウレタンが詰め込まれていました。 心配した、機械の破損も無く
一安心です。
CNC1-3.JPG

工作室への搬入に先立ち、設置台の製作を行います。 ベース部分は2X4材、
天板は24mmの構造用合板を使用しています。 重量物が載りますので、ガッ
チリと組み上げます。
CNC1-4.JPG

組み上げた設置台にCNCルーター本体を載せます。 ステッピングモーター
とスピンドルが未装着ですが、本体だけでもかなりの重量で、2階まで揚げる
のは一苦労でした。
CNC1-5.JPG

ステッピングモーターとスピンドルを取付けて本体の組立て完了。
CNC1-6.JPG
加工エリアのストロークは390mm×270mm×105mm、全軸リニアガイドとボールねじ装備で
しっかりとした造りです

スピンドルは、標準では水冷800Wですが、取扱の容易さを考慮してオプションの空冷800Wを
選択しました


コントロールボックスと、制御用PCです。制御用PCは、添付のCNCソフト
ウェア(MACH3)が64bit OSでは動かないため、以前使用していたXP搭載
のノートPCをSSD化して使用しています。
CNC1-7.JPG
動作の安定性を確保するため、PCにはCNC以外のソフトは入れず、ネットからも遮断してスタンド
アローンで使用しています


CNCソフトウェアのMACH3は、通常はパラレル接続ですが、本機の場合
はコントロールボックス内にUSBインタフェースボードを内蔵していて、
USB接続が可能となっています。
CNC1-8.JPG

CNCソフトウェアの「MACH3」をインストールします。セットアップは付属の
マニュアル(英語)に詳細な説明がありました。
その後、コントロールボックスの電源を入れ、JOG操作を行って各軸が正常
に動作する事を確認しました。
CNC1-9.JPG

以上で設置までの作業が完了しました。 次回は、テスト切削から運用に必要
な防塵対策を行っていきます。


>>CNC加工機の導入(2)へ続く

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